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消えた「四島返還」 安倍政権 日ロ交渉2800日を追う

定価
1,980  (本体 1,800円+税)
北海道新聞社 編
判型・頁数 A5判 312頁
ISBN 978-4-86721-038-3
発売日 2021年9月9日

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2018年、安倍晋三首相はプーチン大統領との首脳会談で、北方領土交渉について「日ソ共同宣言を基礎に」2島返還への方針転換を打ち出した。交渉の舞台裏で何が起きていたのか。2012年の第2次安倍政権発足時にさかのぼって、取材班が追いかけてきた日ロ交渉の全貌を1万6千件の取材メモをもとに解き明かす。そこには官邸主導で進められてきた外交と、プーチン政権の厚い壁があった。
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この本のレビュー

  • 2022/02/03 投稿者:城座一雄 おすすめレベル:★★★★★

    本書は精力的で地道な取材に基づく時系列の構成による分かり易い解説になっており労作と思う。
    ロシアによる北方四島支配と北朝鮮による日本人拉致は解決しなければ戦後は終わらな問題だが岩盤のように動かない。ロシアはこちらからの要請があれば交渉のテーブルにはつく。しかし様々な条件を突きつけレトリックを用いて一歩もあとに引かない。日米同盟における日本の弱腰を見透かして北海道に米軍基地を置かないよう迫ってくるのはその一例だ。ロシアが言う「第二次世界大戦の結果」は、ソ連が「日ソ中立条約」に違反した上、ポツダム宣言を日本が受諾した後に北方四島を不法に侵略・占領した「第二次世界大戦の『不当な』結果」であることを常に主張していく必要がある。その上で両国がそれぞれ批准した1956年の「日ソ共同宣言」を拠り所に粘り強い交渉をし続けるほかないだろう。北方四島の元島民が鬼籍に入っても返還の気運を失わないことが政治交渉の大きな支えとなるだろう。2月7日は「北方領土の日」だが、年々ロシアの出方を意識して推進力が減退しているように見える。日本人特有の忖度は無益だ。原理原則を貫いていくべきで日和見は相手のペースに巻き込まれるだけだ。一方、民間分野の文化交流や人的交流を重ねて親日、親ロの人たちを増やしていくことも日ロ間の友好醸成に資するのではないだろうか。
    日米は遠くて近く日ロは近くて遠いこの捻じれた関係は第二次世界大戦に敗れた日本が75年以上経った今も未だに引き摺っている現実でその傷跡は余りにも大きい。
    先日、BSフジTV番組でラブロフ外相が訪日を希望していると報じていたが実現して林外相は会うべきだ。
    ウクライナ問題は米ロ対立の構図になっているが日本の立ち位置を確かめることも訪日の目的の一つではないか。マスメディアは対立の情勢を、いわば西側からの情報に立った報道をしている嫌いがある。その点、北海道新聞社は独自の取材網を持っていると思われるので、ウクライナで生じている対立の根本原因とロシアからの情報分析と解説を期待します。

  • 2021/10/04 投稿者:H.K おすすめレベル:★★★★★

    綿密で長期にわたる傑出した取材が本書に結実したことを、一道民として高く評価します。一連の報道の内幕がわかり、スリルがあったというのが読後の感想です。