原子力 負の遺産 核のごみから放射能汚染まで

定価
1,650  (本体 1,500円+税)
北海道新聞社 編
判型・頁数 四六判、255頁
ISBN 978-4-89453-705-7
発売日 2013年8月28日

東日本大震災での福島原発事故を契機に表面化した「核のごみ」、核燃料サイクル、原子炉廃炉など原子力関連の諸問題を、丹念な報道取材で、現状と課題、将来の解決の道筋を探る。JCJ(日本ジャーナリリスト会議)賞受賞の北海道新聞同名の連載をもとに加筆した、原子力の今を記録しているノンフィクション。
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この本のレビュー

  • 『原子力 負の遺産 核のごみから放射能汚染まで』(北海道新聞社編)を読む

    2020/02/09 投稿者:乾 康代 おすすめレベル:★★★★★

    使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを高速増殖炉で燃やす「核燃料サイクル」計画。エネルギー自立として,政府と電力会社によって推進されてきた。
    本書は,北海道での最終処分場誘致の動き,幌延町に設置された幌延深地層研究センターをめぐる処分場準備の疑惑,道が処分場設置を封じるために制定した核のごみ受け入れ拒否条例の実効性の議論から,青森核燃半島,もんじゅ,福島の汚染地域,フィンランド・オンカロへと取材を進め,核燃サイクルの実態に迫る。
    六ヶ所村再処理工場は完成せず,もんじゅは廃止された。サイクルは破綻している。それでも,再処理は継続される。
    この理解しにくい事情に対する秋元健治氏の解説は明快だ。「国や電力会社は,使用済み燃料を廃棄物ではなくリサイクル資源と偽装してきた。電力会社の最大の課題は,原発にたまり続ける使用済み燃料を搬出して原発の運転を続けることだ」
    青森県は,日本原燃と「再処理が中止されれば使用済み核燃料を電力会社に返還できる」との覚書を結んでいる。だから再処理は止められない。もし再処理を止めて使用済み燃料を返還すれば,玄海原発は即停止(2012年4月試算)。青森県も施設を稼働してこそ雇用と税収が保証される。要するに,地元と国・電力側は互いに依存する運命共同体となって原子力行政をがんじがらめにしているという。
    日本学術会議が2015年,「提言 高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言-国民的合意形成に向けた暫定保管」を発表した。
    今田高俊氏はこれを説明して「原発を動かすことを優先し,動かした後で,実は厄介なごみが出る,でもみんな電気を使っているからみんなの責任だというのは『後出しジャンケン』。反省が国にも電力会社にもない。提言は,核のごみの総量管理の考え方を打ち出した。これで脱原発は加速する」
    しかし,政府はこれを拒否,地層処分を進めようとしている。この態度は間違っている。科学の専門家と市民の声にもっと耳を傾けるべきだ。

  • 「原子力 負の遺産」の感想と「別件」

    2014/11/13 投稿者:舛甚美惠子 おすすめレベル:★★★★★

    関口裕士さんの講演会に参加して、「原発」に関心を持ちました。
    本の構成が分かりやすくて、読みやすかったです。
    タイムリーな問題で、さらにこの件に関心を持ち続けたいと思いました。
    関口さんと須藤さんの熱意が伝わってきました。
    この本に出会えたことに感謝しております。

    別件ですが、『慰安婦問題報道』では、吉田清治氏に関しての説明責任を果たさないままなので、今は道新の購読を中止しております。

    「原発問題」については、期待しております。